MTBのフレーム素材やその違い

MTBのフレームについて

最近のスポーツ車には色々な素材のフレームや部品が付いてきていますね。 これも色々選べるから楽しく、素材によって値段も大きく変わってきます。

MTBのフレームは殆ど塗装が施されていますから見た目はどれも違いがありませんが、 パイプの質や素材によって乗り味やフィーリングは全く違いますから MTBを買い換えされる時には是非新しい素材の自転車にチャレンジして頂ければと思います。

また、フレームの剛性感、振動吸収性、耐久性など、全く同じ素材でも 溶接の方法や寸法、パイプの太さによっても大きく変わりますので パイプの説明も「この種類はおおまかにこんな感じ...」と言う程度で考えてください。

パイプの厚み

MTBのスペックを見ているとダブルバテッドとかトリプルバテッドとか書いてありますよね。 多分、初めてMTBを購入される方には何の事だかさっぱり解らないと思います。

リジットフォークのMTBお場合、フレーム+フォークは合計11本のパイプをを溶接や接着で繋ぎ合わせて作るのですが、 パイプは出来るだけ軽くした方が自転車の総重量も軽くなりますよね。

パイプを軽くする為には肉厚を薄くすれば良いのですが、 自転車の場合パイプとパイプを繋ぎ合わせる近辺に一番負担が掛かりますので ココはチョット厚くしておきたい訳です。そこで加工をしたパイプが必要になって来るのです。

溶接されるあたりは肉が厚く、中央部分では肉が薄くなっていきます。 2種類の肉厚を持っているパイプをダブルバテッド、 3種類の肉厚を持っているパイプをトリプルバテッドと言います。

しかし、薄くすると強度は弱くなりますのでパイプの材質も強度の強い物にしなければならず 中央部分だけを薄くするにはとても手間が掛かりますからパイプ1本の値段は高くなります。

コロンバスと言うパイプメーカーでニバクロームアロイで作ったNEMOやGENIUSなどは一番薄い所が 僅か0.4mmしかありませんからこんなパイプを使ってフレームを作れば相当軽いMTBが出来ますね。

フレームパイプの素材

クロモリ

バネや鋼材に良く使われる素材で本名はクロームモリブデン鋼です。 鉄にクロムやモリブデンなどを配合した合金で 自転車のフレームに使うパイプとしては一番歴史の長い物ですが バネ性に優れていて剛性が高いのが特徴です。


アルミ

一般的には錆びなくて軽いといった印象の強い素材ですね。 ボーキサイトからアルミナを取り出し、アルミナを電気分解した物がアルミニウムとなります。

ボーキサイトは地球上に存在する金属のなかで一番多く、加工が簡単な為、 コストが下がり、現在のスポーツ車のフレームはアルミが使用される事が多くなりました。 アルミは比重が約2.7と非常に軽いのですが、脆いですから 加工を簡単にしたり、熱に強くしたり、腐食に強くしたり、強度を増したりする為に 必要に応じてアルミに色々な物を調合し、調合済みの物をアルミ合金と呼びます。

1000番台から7000番台まで色々な種類が出ているのですが、 自転車に良く使われるのは6061や7075が多いですね。 7075はアルミの中で一番強いのですが、耐食性は劣り、加工が難しく値段も高いです。

そして6061はT6と言う焼入れ処理をする事でとっても強くなり、耐食性は良いです。 また、アルミは表面が大気中で勝手に酸化皮膜に覆われて自分で腐食しないように がんばります。これがアルミの錆びない理由です。


チタン

錆びない。軽い。強い。値段が高い。で有名な素材です。 大気中で溶接が出来ないので非常に手間がかかり値段も高くなります。

3AL-2.5Vと6AL-4Vではパイプの値段も大きく変わるのですが、 耐力と引張り強さが大きく違いますので6AL-4Vなら薄くて軽いフレームが出来、 スチールのような反応とアルミのような軽さを兼ね備えた素材です。 ただ、ネジ類はかじり付きを起しやすいので専用のグリスを塗るなどが必要です。


カーボン

釣り竿やゴルフのクラブなどに良く使われており、 自転車でも最近は高額車種のフレームやフォークなどに多用されるようになりました。

カーボンフレームは簡単に言うとカーボンクロスと言う炭素の布を重ねて 接着剤で固めて作ったものです。とてもしなやかで軽量ですが、 巻き方や作り方によって全くフィーリングは異なりますので カーボン製だから良いという訳でもありません。


ステンレス

一般的には錆びないと言われており、ママチャリのハンドルやリムに良く使われます。 有名な所では物干し竿、台所にも使われていますね。

ステンレスは鉄とは違う物だと思われている方が非常に多いのですが、 チャーハンと五目チャーハンのような違いで、 鉄にクロム(Cr)とニッケル(Ni)と言うスパイスを加えた合金と呼ばれる物です。

フェライト系、オーステナイト系、マルテンサイト系と色々ステンレスにもあるのですが、 鉄にクロムを12%以上混ぜる事で表面に膜ができて、この膜が錆びを防ぐ為に 「錆びない」と言われます。18-8ステンレスなどは良く聞く事があると思いますが、 これはC=0.07%以上、Si=1.00%以上、Mn=2.50%以上、P=0.045%以上、S=0.030%以上、 Ni=7.0〜10.50%、Cr=17.0〜19.50%、N=0.10〜0.16%を加えた合金です。